小田栄西地区地区計画で旧県立川崎南高校が商業と業務しか建てられない近隣商業地域に用途変更されたことと、平成16年度の計画案ではなかった道路が校舎の上に計画変更されていて、そのために県が「川崎市の計画に支障があるので除却する方向で考えている」としたことに対して、それぞれの立場から異議を申し立てるということが今回の会の主旨でした。そもそも、県立高校という公共用地に地域に必要とされていない商業を川崎市が誘致しようとすることの必要性がまったく理解できませんでした。

 小田銀座商店会長の小林桂一さんは「借金までして商店街を活性化させてきたのに、大店舗が来ると壊滅してしまう。」と主張し、松岡紀雄教授は「このままだと日本は沈没してしまう。私民は市民の自覚に目覚め創造的なまちづくりをしなければならない。」と言い、ワタリウム美術館の和多利浩一さんは「やりたいことを市に押し付けるのではなく自発的な活動でなくてはならない。また可能性を引き出すには芸術家は必要不可欠である。」と述べ、 川崎ファクトリーの渡辺治さんは「大店舗を含めて、大企業に経済活動が偏るやり方は、いわゆるグローバリゼーションの弊害を引き起こし、地域活動や経済、福祉、保育、教育、文化に及ぶまでを崩壊させてしまった。地元の自治力を高め、自発的に活動していくやり方が唯一の打開策ではないか。」と語りました。
今回のシンポジウムでは、各専門家から見て、大型店舗は必要ないこと、また高校跡地利用に関するする可能性に関しての意見が聞けました。これを受けて、2回目のシンポジウムではどのようにして、大店舗を誘致する計画に反対し、旧県立高校を利活用する要求を提示していくのかが論議されることになるかと思います。

 静岡から芸術総監督の宮城聰氏応援に来る!

 
この日はミラクルが起きました。それは旧県立高校で2005年の年末に開催された「クリスマス夢企画」で演劇を無料で演じてくれた劇団クナウカの演出家宮城聰さんが、静岡から新幹線で駆けつけていただいたことでした。宮城聰さんは、夢企画の最中に静岡の舞台芸術センターの芸術総監督に決まりました。静岡県は宮城さんのために、総額500億の施設の使用、年間活動費4億、20人までのスタッフを県の職員として雇えるという特権を与えました。