■イベントレポート- 11月12日(土)
  ケンタロー・ソロ+
円覚寺殿谷住職×マレーシア青年スポーツ省副大臣ダトー・オン・ティー・キアット
世界対談
  日本はアジアの一員として自覚することから再生する

  昨年と同様、自分の定点観測をしようとするケンタローの2回目のソロ演奏。聴衆の中には、これから対談しようとする北鎌倉の円覚寺の住職とマレーシアの青年スポーツ省副大臣の姿があった。2人は対戦前の戦士のように異常に高ぶっていた。その前で演奏されるケンタローは静かに自分の中に落ちていき、自分との対話を始める。
円覚寺は禅宗で規律を重んじる臨済宗である。それは宗教というよりも、座して自分と対話する哲学であり、まさに目の前で行われている演奏そのもののと同義のものだった。2人にそう耳打ちすると、2人はじっとうなづく。
2人の話しは、期せずとも環境の話しになった。住職は最近山を買い戻して中世の森林に戻そうとしている。国内産を使わない森林に問題があると言う。その一方でマレーシアでは森林はあくまでも商業であり、最近はパーム椰子から天然のガソリンが加工される技術が開発され、ゴム林がパーム椰子に急激に乱開発されている。そこで、買うのを止めない日本、売らざるを得ないマレーシアの関係が浮き上がった。森林問題は、国際問題なのが分かった。
そして、話題は、日本の商業主義と経済国家としての成功により、特に若者の精神面の荒廃が取り上げられた。両国による交流はある程度有効かもしれない。しかし、西洋ではキリスト教が立派に機能している。「これからは宗教が現代に合わせて変化しなければならない。」と住職が話しに結論づける。
私たちは確実にアジアの一員である。文化を再生させ活性化させるキーはアジアかもしれない。
対談の後、上杉麻子(姥ヶ森光子)によるオペラが副大臣の誕生日を祝って贈られた。
 
 

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