■イベントレポート- 10月8日(土)
  スズキケンタロー SUZUKI Kentaro
 
絵を描いてもらってそれを楽譜にして弾いた
対話する音楽へ

彫刻家吉本義人さんと一緒に来たお客さんの中に、竹中務店に勤務している画家の方がいました。自分の絵はがきたまたま持っていて、それを題材にしてケンタローが演奏、その感想を述べてくれました。
画家にとっても刺激的な体験とこことでした。
 
 
今年も、自らの修行の場所としてカフェファクトリーを選んでくれました。そして、開始は自分の始まりを確認するためにソロ演奏。
昨年のカフェアウマンの中程で試みた、 ケンタローが集めた絵はがきの中からお客さんに何枚か選んでもらって、それからイメージを膨らませて音に置き換えることをやりました。沢山の絵はがきから各々が気に入った葉書を選ぶのだが、その中に昨年と同じ絵はがきがありました。マグリッドの絵で大きな鈴が宙に浮いているような絵です。これは偶然ではなく、多分、現代音楽(ケンタローの音楽)のイメージの代表なのだと思います。
今年は、「かわさき現代彫刻展」の実行委員長でもある彫刻家の吉本義人さんのアーティストトークがある日で、トークの会場のアウマンの家から仲間を伴ってカフェファクトリーに来てくれました。そこでケンタローは即座に、芸術家の皆様に簡単な絵を描いてもらって、それを楽譜として演奏することを頼みました。
ここに居合わせた人は、自分の絵が音に置き換わる、初めての体験をしたことになります。
これは昨年の発展型と言えます。カフェアウマンそしてケンタローが目指した「コミュニケートする音楽」。
また今年もケンタローといろいろな音楽家との音でのコミュニケーションが聴ける。また、どんな会話に発展するのか立ち会う幸せを味わえる。
   
 
  ○コミュニケートするケンタロー音楽
現代音楽と言うと、実はとても広い範囲を示してしまうのだが、カフェファクトリーでの演奏は、「ケンタロー型コミュニケートする即興演奏」と表現すべきものだろう。そういったことを知らずに聴いているといたたまれなくなって出ていった人も少なくない。それまでに私たちが接したことのない音づくりなのだから、聴く方にも心構えもなければ、まだどういう風に聴いたらよいかのスタイルも確立されていない。
であるから、ある時からケンタローは、これからどのように音を作って行こうとするのか説明するようになった。ある時は、外の鳥と、音楽家と、そして今回のように絵とコミュニケート。それが、同時にお客さんとのコミュニケートとなっていく。

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