■ジャワ島地震と『ムネモシュネの贈りもの』について

5月27日朝、テアトル・ガラシの本拠地であるジョグジャカルタ近くを震源としてジャワ島中部を襲った
地震の災禍は徐々に明らかになり、第一報からユディ・タジュディン氏たちが予想したよりも大きな被害
が出ていることがわかってきました。
そのため、28日夕方にユディ・タジュディン氏と宮城聰が会談し、『ムネモシュネ』創作を切り上げて
ガラシメンバーが帰国するか、それとも予定通り創作をつづけるか話し合いました。
宮城は、テアトル・ガラシの使命として「地域の復興に寄与すること」を作品の上演より優先するという
考え方があるだろうと想像し、「ここで『ムネモシュネ』の上演をとりやめるとしてもそのダメージは煎
じ詰めれば経済的なことで、それは本質的なダメージではなく、われわれの協力関係は今後も長く続くだ
ろう」と伝えた上で、いろいろな選択肢があるからまずガラシメンバーで議論してくれるよう頼み、彼ら
の判断を待ちました。
そして彼らの出した結論を踏まえ、稽古場全員でミーティングを持ちました。
彼らの結論は、予定通り創作を続ける、というものでした。
ユディ・タジュディン氏は、ふたつの側面から考えたと語りました。
ひとつは「家族の一員」として。もうひとつは「地域社会の一員」として。
――まず、とぎれていた電話がつながり、全員が家族と連絡が取れて、みな無事であることが判明した。
日本に来たメンバーの家は壊れていなかった。そして家族や国の友人に相談したところ、家族や被災した
メンバーについては親戚やジョグジャカルタに残った劇団員たちが面倒を見るから、日本での創作を最後
までやってきていいよ、と言ってくれた。
6/18までの3週間は短くないが、地震の復興はもっともっとはるかに時間のかかる仕事だ。だから、『ム
ネモシュネ』を完成させるという仕事をなし終えたあとでジョグジャに戻って地域のために働くことで、
地域社会の一員としての責任も果たすことが出来るだろう。自分たちは『ムネモシュネ』にも責任があり、
両方の責任を果たせる道を選択したい。――
こうして私たちは『ムネモシュネの贈りもの』を予定通り上演することに致しました。

しかし、テアトル・ガラシの稽古場兼事務所は、地震で倒壊してしまいました。そこでわれわれはガラシ
のアトリエを再建するために、すこしずつでもお金を出し合おうと考えました。
近日「ガラシケイコバエイド」用の郵便振替口座をつくり、そこに集めてゆく予定です。
もしそのお気持ちを持って下さいましたなら、ク・ナウカのサイトでも口座をお知らせ致しますので、
ご協力いただければと存じます。

■募金先

三菱東京UFJ銀行
永福町駅前支店
普通 0340353
ク・ナウカ シアターカンパニー 代表 宮城聰
〈この口座はガラシケイコバエイド以外には使用いたしませんが

念の ためお振り込みに際しては振り込み人のお名前の前に
ガラシエイドと付けてお振り込みください。〉

■募金に関する問い合わせ先

ク・ナウカ制作部 大石
特定非営利活動法人 ク・ナウカシアターカンパニー
〒141-0031 東京都品川区西五反田2-10-8-613
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